溶けないアイス
舞い上がれたのも、この日だけ。


次の日学校来てみれば、
女子とワイワイ話してて。


「昨日さ、ホームBBQしたんだ!」


と圭吾。


「楽しかったなー。」


と相槌を打ちながら言う男子たち。


「えぇ、ずるい男子たちだけー笑
 私、圭吾の家行ったことなーい。
 今度行ってもいい?」


え?


「おう、いいよいいよ。」


えぇー


軽くオーケーしちゃう圭吾が
わかんなくなる…。


「圭吾んち、めちゃくちゃ広いの。
 やべーよ、まじで。」


「あっそうだ!
 今日行こーぜ、
 学校、午前だし。」


「たまにはいいこというじゃーん。
 いこいこっ!
 たのしみー笑」


「たまにはってなんだよー、
 いつもの間違いだろー?笑」


いつもと何ら変わりない
圭吾含む男女の騒ぎ声が
聞こえてくる。


そもそもあんな素敵な人が私なんかと
付き合ってくれてるのが不思議で
ならない。


付き合う前と何ら変わりない風景に
夢だったんじゃないかなんて思う。
 

ううん。


付き合う前の方がまだ変な期待も
しないですんで、
今より苦しくなかった。 


あぁ。


もうっ。


目から涙がこぼれ落ちた。


何やってんだ、私。


ここ、教室じゃん。


慌ててうつ伏せになって寝てるふりを
決め込んだ。


私の悲しい気持ちとは反対に
に盛り上がってる圭吾たち。
 

あぁ。


「何うじうじしてるの?
 ほらっいこ!」


そういって私の友達、琉夏(るか) 
が私の腕を引っ張っる。


慌てて涙をふいてパット前を見ると
前には圭吾が立っていた。


「なーに?
 やきもちやいてくれたのー?」


なんて私にしか聞こえないくらいの
ボリュームで耳元でささやく

君はずるい。


ばーか。


わかってるなら、
ヤキモチ焼かせないでよー。


なんて言えるわけもなく、
こくんと素直に黙って頷く。


私の目が赤いのに気がついたのか、
ただの気まぐれなのか、


私の頭を優しくというより
犬を撫でる時みたいにわしゃわしゃと
なでた。


それだけで心臓がついていかないよ。


重症だな、これ。


「私達も参加することに
 なったから。
 今話してきた!」


私達がそんなやりとりをしている間に
話を取り付けたようだ。


さすが、琉夏。
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