君としてるのは恋じゃなくて。




*****



恋なんて嫌い。


柴崎くんを好きだった時はもっともっと楽しかったのに。


遥のこと好きになってから楽しくなくなった。




遥の気持ちが気になって、

些細な一言に一喜一憂して、


さらにアホになったよ、私。




ここ最近、

部活が終わるまで待たせてくれない。



毎日「急ぎの用がある」って。



やだよ……。



なんにも楽しくない。



遥……。




「す、すずぅ~」



「ん?どうしたの?」




帰りを断られ続けて1週間。


とうとう耐えきれなくなってすずに助けを求めることにした。



「遥が……遥に……遥……。」


「もう、またケンカ?」


「ケンカっていうか……」


「ダブルデートでようやく仲直りしたと思ったのに。」


「嫌われたかも……」



すずは嬉しそうに笑った。



「大丈夫。

高梨くんの芹を見る目、
すごく大切そうだもん。

芹を好きなことに間違いはないんじゃない?」








すず。


それはすずの勘違いだよ。



私は知ってる。



遥のすずを見るときの優しそうな目を。






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