君としてるのは恋じゃなくて。




フワッと香る遥の匂い。


うつむいていた顔を上げると、

笑顔で私を見ている遥がいた。




「似合ってる。良かった。」



「ホント!?」



「ホント。」



その言葉を聞いて、
私も笑顔になった。



「ありがとう。」



「もう聞き飽きた。」


でもやっぱり遥は笑って「どういたしまして」と言った。




「遥……。」



「ん?」



「一瞬。一瞬でいいから

ぎゅーってしたいです。」



「えー……」



「お願い。」




だって……この気持ち、

どこにやればいいのか分かんないんだもん。



「ハハッ……ホント俺のこと大好きだな。」


「うっさい。」


「来いよ。」



両手を広げる遥にゆっくりと近づき、

最後は勢いよく遥の胸に飛び込んだ。





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