君としてるのは恋じゃなくて。
少し暗めの階段から一気に青空の世界が広がる。
「すごーい!
屋上ってこんなになってるんだぁ!!」
私はさっきまでの緊張も吹っ飛び、
フェンスの方へ走り寄った。
校庭には自主練をしている野球部員。
少し冷たい風が頬をなでた。
我に返り、
遥がいる方向をゆっくりと振り返る。
入り口の近くで同じく私を見ている遥と目が合った。
結構距離はあるのに、
遥に引き寄せられてるみたい。
ドキドキドキドキ……
心臓がうるさい音を立て始めた。