君としてるのは恋じゃなくて。
「じゃーさ、
保科のことはこれから芹って呼ぶから。」
「えっ……。
じゃあじゃあ高梨のことは……!
……名前何だっけ。」
高梨は汚いものでも見るように私を見た。
「そういうところがモテない理由じゃん?」
「し、失礼なっ!」
確かにそうですね……。
「遥也だよ。
高梨 遥也。」
呆れたように笑う高梨。
逆光で、すごくキラキラして見える。
「じゃあ遥って呼ぶ!」
「女子みたいだな。
ま、いーけど。」
「帰りましょうか、遥。」
「そだな、芹。」
こうして私たちのいびつな恋が始まった。
私にとってそれは、
唯一信じられる嘘になった。