君としてるのは恋じゃなくて。
時間はあっという間に過ぎてしまい、
イルミネーションが始まるまで後1時間となった。
公園にさっきまでいた子供たちも家に帰ってしまったようで、
静かな空間に私と遥だけが残された。
「そろそろ行くか。」
「あ……」
「何。」
キス……してない。
なんて言ったらドン引きかな。
遥だもん。
デリカシーって言葉すら知らないようなバカだもん。
きっと期待通りドン引かれるわ。
「な、何でも……。
行こ!」
私は勢いよく立ち上がり、
ベンチから遠ざかろうとするが、
遥はなぜかそこから動こうとしなかった。