君としてるのは恋じゃなくて。




好き。



好き……。





今すごく……遥に触れたい。





冷えきった手で遥の手に触れた。





遥が私の方を向いたのが分かったけど、

うつむいたまま、気づかない振りをした。




「遥……」




今日くらいは……




素直になりたい。








「何。」





遥が優しく、甘くささやく。




「……す、好き……だよ。」





私のことを『嫌い』とも、『好きでも嫌いでもない』とも思わないでいてくれてありがとう。



初めて誰かに認められた気がした。




一緒に『哀しいね』って泣いてくれてありがとう。




初めてすずたちが付き合い始めた後で

自分が独りじゃないと思えたよ。





遥……。



ありがとう。





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