君としてるのは恋じゃなくて。
あんな女子どもよりは芹の方が全然ましだ。
まぁ、超可愛いってわけじゃないけど、
ノリのいいやつ好きだし。
何より本気で柴崎のことが好きなのが分かって、
憎めない感じ?
純粋で嫌いじゃない。
「なぁ、高梨。
お前、付き合い出したって本当?」
振り向くと、
柔軟体操をしながら興味深そうに答えを待つ斎藤。
斎藤ってのはおんなじ陸上部のやつ。
まぁまぁ仲が良い。
「そーだよ。」
「だれだれ!?可愛い?」
「保科 芹。」
「え、保科って確かおんなじクラスの……。
そんなに目立って可愛かったっけ?」
「可愛いなんて言ってねーし。
ま、でもグラウンドの外でギャーギャー言ってる奴らよりは可愛いかな。」
「うわ、ノロケんなよ~」
お前から聞いといて、
ノロケじゃねぇわ。