君としてるのは恋じゃなくて。
「人の話も聞かないで、
嫌悪感丸出しにしてさ。」
「…………。」
イライラしていた気持ちが一気にしぼんでいく。
「この間も言ったけどもっと品よくしろ。
髪型とか服装変える前にやることがあんだろ。
……お前、全然努力してないよな。
ホントに柴崎のこと好きなわけ?」
遥は言った後に我に返ったように口に手をあてた。
涙が頬を伝うのが分かった。
喉の奥が苦しくなる。
「わり……」
遥が申し訳なさそうに謝った。
「……っ……好きだよ。
ちゃんと好きだもん……!!」
「……ああ。
知ってる。悪かった……。」
遥は今度は優しく、
私の手首を握った。