君としてるのは恋じゃなくて。




違うよ。


本当はさっき呼び止めるために掴まれたときだって嫌じゃなかった。


ちゃんと最初から遥は優しかった。




「……お前がものすごく努力してることくらい知ってる。

イライラして、不機嫌をお前にぶつけただけだ。

ごめん。」







努力なんてしてないよ。


努力してたらきっと柴崎くんと付き合えてる。



それに、

今日だってお化粧しなかった。



本当に努力してるなら妥協なんてしないよね。




「言ったろ?

お前のこと、嫌いじゃない。って。」



そう言って遥は私の頭を優しく撫でた。




「でも、『好きでも嫌いでもない』んなら……私……。」




「…………。」



遥は私の頭を撫でていた手を止めた。




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