だいち、
蜃気楼
「じゃあ、3日だけこっちで過ごすんだ?」
アイスを食べながら談笑していると、時間はあっという間に過ぎていった。
さっきまで鬱陶しいくらいに晴れ渡っていた空は、赤く染め上げられている。
ミンミンとうるさく鳴いていた蝉も、今じゃひぐらしの声に変っている。
「そう、あっちでも片付けしないとだし、色々考えたらこっちに居てられるのは3日だけなんだ」
「じゃあ、明後日には帰るんだ」
「んー、そうだな」
「......」
3日だけ、か。
久しぶりの帰省だっていうのに、たった3日。
「なに?もしかして寂しいの?」
「は?」
からかった笑顔で、あたしの顔を覗き込む大地。