だいち、











「────バーベキューなんて、久しぶりねー」


「理沙ー!割りばしもう1本持ってきてー。あとポン酢もー」


「......はあい」





大地が東京に戻る前日の夜。

お父さんの提案により、大地の家族と一緒に、バーベキューを開いた。



あたしはお母さんにコキ使われながら、焼けたお肉を次から次へと頬張っていく。







「昔は夏になると、よくやってたわよね」


「大地くん、あっちの大学はどうだ?大変だろう」


「理沙ちゃんも大きくなったわね。最近、なかなか会うこともなかったし」


「いえ、そんな...」





皆それぞれに会話を楽しみながら、昔を思い出しながら。
時計の針は、22時を過ぎていた。





「最後に、花火でもしようか」





今年に入って初めての花火だ。

花火を持ってきてくれた大地のお父さんに感謝しなくちゃな。







< 15 / 89 >

この作品をシェア

pagetop