だいち、
「────バーベキューなんて、久しぶりねー」
「理沙ー!割りばしもう1本持ってきてー。あとポン酢もー」
「......はあい」
大地が東京に戻る前日の夜。
お父さんの提案により、大地の家族と一緒に、バーベキューを開いた。
あたしはお母さんにコキ使われながら、焼けたお肉を次から次へと頬張っていく。
「昔は夏になると、よくやってたわよね」
「大地くん、あっちの大学はどうだ?大変だろう」
「理沙ちゃんも大きくなったわね。最近、なかなか会うこともなかったし」
「いえ、そんな...」
皆それぞれに会話を楽しみながら、昔を思い出しながら。
時計の針は、22時を過ぎていた。
「最後に、花火でもしようか」
今年に入って初めての花火だ。
花火を持ってきてくれた大地のお父さんに感謝しなくちゃな。