だいち、
────『......大地、さ』
────『.........彼女、出来たの?』
────『...ああ、───うん』
去年のあの日を、思い出す。
あの日以降、冬が始まるまで、ずっと大地の笑顔が消えないままだった。
ずっとずっと消えなくて、あたしの中でずっと笑ってて。
どうして消えないの、って泣く夜が何日か続いた。
〝どうして”なんて、考えなくてもすぐに解るのに。
......大地のことがまだ好きだったから。
もうとっくに忘れられたと思ってたのにな。
まだ好きだったんだと気付いたとき、自分のことが本当に嫌いになった。
いい加減、鬱陶しい。
彼女が出来ていたことにもショックを受けた自分も。
どうして教えてくれなかったの?と、どこか裏切られたような気分になった自分も。