だいち、







大地には大切な人がいる。



だから、とっとと諦めよう。完全に忘れよう。
早く、次の出会いを見つけよう。




そう自分に言い聞かせながら過ごしてきた。
そして、今日がある。




その成果なのか、大地のことを思い出してもなんとも思わなくなった気がする。


「......」




たぶん、だけど。






恋愛なんて、時間が経つと自然に消えていく。

簡単に、静かに、穏やかに消えていく。跡形もなく。






「...あ」



アイス、食べ終わっちゃったな。







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