だいち、





「お待たせ、理沙」



暫くして、大地が戻って来た。




「もう、ついてこなくていいのに。面倒くさい」


「いいじゃん。俺が来たかったんだし」


「なんで?」


「なんとなく」


「そう」


「...理沙とこうして歩くの、久しぶりだな」


「...そうね」


「そういえば、大学の単位とれた?」


「うん。奇跡かと思った。大地は?」


「すげーじゃん!俺はまあ余裕だったよな」


「あっそ。バイトは?まだ続けてるの?」


「うん。楽しいよ」


「そっか」







そこから、定番的な会話をしながらスーパーに向かった。


帰り道に少し寄り道して、またくだらない言い合いをした。
でも、それも「久しぶりだ」と笑って、苛立ちなんてどこかへいってしまった。






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