だいち、








大地の元カノに、嫉妬してる。


その嫉妬が、まだ離れてくれない。





「......」







あたし、何年、大地に片思いしてきたんだろう。

それなのに大地には気付いてもらえないまま、離れ離れになっちゃって、諦めて。
でも諦めてられてなくて。



大地は、東京で好きな人が出来て、付き合えて。

大地に想われていた彼女さんは、どれだけ幸せだったんだろう。



あたしがずっと欲しかった、大地の〝好き”。
大地の〝特別”。



彼女さんは簡単に手に入れられて、簡単に手放したんだ。





「......」



あたしが、ずっと欲しかったもの。







ぎゅ、と無意識に胸の辺りの服を掴む。


目の前が滲んで、胸の奥が握りつぶされてるみたいに苦しくなる。






...こんなこと思うなんて、あたしは本当に最低な人間だ。





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