だいち、








「んじゃあ、俺はそろそろ帰るかな」


「...」


「...あと」


「?」


「───明後日には俺、あっち行くから」


「.........そう」


「...じゃあな」


「...早いわね、もう3日経ったんだから」


「そうだなあ。...」


「...」


「楽しい時間は、早く過ぎていくんだよ」


「......楽しくなんかない」


「はは、素直じゃねーのな」


「早く家戻りなさいよ」


「おう」


「大地」


「?」


「レポート、ありがとう」


「ん」








いつも通りに微笑んで、部屋を出て行った。

見えなくなるまで、その背中を見続けては、部屋の窓から下を見下ろす。





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