だいち、
微熱
「───じゃあ、今日の夜にもう行っちゃうのね」
「はい。20時頃には、ここ出ます」
「寂しくなるわねえ。お正月にも帰ってきたらいいのに」
「いつも考えてるんですけど、ちょっと忙しくて...」
「そっか...。また来年、待ってるわね」
「はい」
「それにしてもごめんね。理沙、昨日の夜から体調崩したらしくて、部屋にこもりっきりなのよ」
「いえ」
「今日出ること、言っておくから」
「ありがとうございます。...じゃあ」
1階から聞こえてきた、お母さんと大地の喋り声。
...あっという間に、〝今日”が来た。
大地が行ってしまう。