だいち、










「...なんか理沙、変」


「?」


「いつもより静かだ。やっぱまだ熱あんじゃね?」


「ないってば」


「...手、冷たい」


「......」





大地が、あたしの指先にちょこんと触れる。

その触れた先から、大地の温もりが静かに、勢いよく全身に流れ込んできた。





「...離してよ」


「......」





あたしの言葉とは裏腹に、あたしの手を包み込んできた。

もっともっと、さっきよりそこが熱くなって、全身が熱くなって。


目眩でもおこしてしまいそうだ。



ドキドキして、グラグラして、胸の奥が狭くなって苦しい。
涙が出そうになる。





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