だいち、







漫画に出てきそうな性格してさ。
どれだけあたしを苦しめれば気が済むの。



あと2時間すれば遠くへ行っちゃうのに、優しさだけ残していくなんて。







「......理沙が変なんだろ」


「...」


「.........」




包み込んでいただけの手が、少しだけ強く、あたしの手を掴んだ。






「......」



なんでこんなに悲しいんだろう。
寂しいんだろう。



虫の声が、触れた体温が、声が、手が、全部が、...あたしの気持ちが、そうさせているんだろうか。









「......ねえ大地」


「...ん?」


「.........」






零れてしまいそうだ。

ぽろっと、呆気なく、簡単に。






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