だいち、









数秒の沈黙に耐え切れず、いつまでも変わることのない横断歩道に足を踏みいれた。







大地は、本当に狡い。


ずっとそのまま放ってくれてれば良かったのに。
見て見ぬふりをし続けてくれれば良かったのに。


なんで今日なの。







「っ、理沙!」



背後から聞こえる声が鬱陶しい。

お願い呼ばないで。
今は呼ばないで。



...もう、これ以上...。













「───理沙!」






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