だいち、
どこかさっきまでと違う、切羽詰まったその声に、違和感を感じた。
振り返る間もなく、次には全身に強い衝撃を受けていた。
「───っ」
強い衝撃と共に、今まで聞いたことのない大きな甲高い音が、あたしの耳を劈いた。
だけどその痛みと音にはなぜか現実味がなく、暫く状況が理解出来なかった。
「......え...」
あたしは横断歩道から大きく弾き飛ばされたようだ。
ゆっくりと立ち上がろうと、前方を見た。
そして、心臓が大きくドクンと脈打った。