だいち、
epilogue
少し甘めのコーヒーを一口飲んで、ホっと息をついた。
閉め切った窓から見えるのは、満点の星空だった。
その星たちをもっと近くで見たくて、寒いけれど、窓を開けて身を乗り出した。
「...」
白い色を纏って、息が空へ昇っていく。
こんな綺麗な星空が見れるのなんて、都会じゃきっと無理なんだろう。
そこだけは、いつも田舎暮らしで良かったと思っている。
「...さむっ」
微かに吹いた風でさえも、コーヒーを飲んで温まった身体は寒さを感じてしまう。
そろそろ中に入って眠ろう、と、窓に手をかけた瞬間に、ベッドに放置していた携帯がヴー、ヴーと音を立てた。