だいち、









『今日、そっち、星綺麗?』


「うん。いつにも増して」


『なんか今日、流星群見れるらしいぞ』


「えっ、本当?」


『本当。深夜2時頃がピークだってさ』


「へえ、起きていようかな」


『はは、言うと思った』


「......もしかして、それ言うために電話してくれたの?」


『ん?んー、...ん』


「......ふふ」


『...なに笑ってんの』


「...それってちょっと期待してもいいってこと?」


『...期待、って......あーっ、もう、恥ずかしいからそういうこと言うなよ!』


「だって嬉しい。...大地の声、久しぶりに聞いた気がする」


『...おう』


「......ん...ね、今年も忙しい?」


『...んー......今年、正月...そっち行けるかも』


「本当?」


『うん』


「...じゃ、待ってる...ね...」





段々と意識が遠のいていく。
瞼が重くなって、視界もぼやけてきた。


...ああ、大地の声、本当に久しぶりに聞いたなあ...。
そっか...お正月、帰ってこれそうなんだ...。

じゃあ、会ったらなんて言おうかな?
どんな顔していようかな?







『...理沙』




会えることが嬉しくて、きっとあたし、ずっとニヤニヤしているんだろうな。

馬鹿にされそうだ。...少し悔しいから、真顔で迎えてあげようかしら。





『...寝たの?』




ああ、でもきっと...無理なんだろうな...。
絶対に笑ってしまう...だろうし...








< 86 / 89 >

この作品をシェア

pagetop