最悪から最愛へ
業務を終えた後に、向かうところは着替えて帰るための更衣室。更衣室の横には休憩室があり、遅い昼休憩を取っているパート社員がいた。


「紺野チーフ、あがりですか?」


「うん。早川さん、あとよろしくね」


早川佐和子は、6年もここで働いているベテランで、渚よりも年上だ。渚は、まだ来たばかりの副チーフの佐藤よりも佐和子の方を信頼している。


「あー、疲れた」


「店長、お疲れ様です」


そこへカップラーメンを手にした峻が入ってきた。峻と顔を合わせたくない渚は逃げるようにして、更衣室に入る。


「店長、カップラーメンなんかじゃ、栄養バランスが悪いですよ。せめて、サラダとか食べないと」


「今日は、味噌ラーメンの気分なんだよ。早川さんの弁当、さすがうまそうだね」


主婦でもある佐和子は、手作りの弁当を食べていた。色とりどりの弁当は栄養バランス抜群である。


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