最悪から最愛へ
同じように店内を巡回していた峻が渚の視界に入り、眉間に皺を寄せた。


「だって、気が重くなるんだもの。わ、嫌だ、こっち来る」


二人に近付いて来る峻に思わず渚は、後ずさりする。小田はそんな渚に苦笑する。


「どうした?何か不都合でもあったのか?」


チーフ二人が話しているのを見て、問題があったのかと峻は思う。


「いえ、何もないです」


「なら、紺野。早くレジに行けよ。混んで来てるぞ」


「はい。今、行きます」


渚は、レジへと早足で歩き出す。


「さっき、男の子がメロンを買っていって、かわいいなと見ていたんですよ」


小田が二人でなぜいたのか状況を説明する。


「そうか」


「店長」


「なんだ?」


「少し紺野に厳しくないですか?最近、なんか怯えているような気がしますけど」


渚が峻に怯えるわけは、峻が厳しいからではない。
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