最悪から最愛へ
「あ、でも、店長。今、レジは忙しそうですよ」


「分かってる。後で聞くよ。とりあえず手伝ってくる」


「はい、行ってらっしゃい…」


レジに列が出来ているのを見て、峻は歩き出す。ほとんどがレジが一人で対応しているのが見えてきた。

峻は、一番近いレジに入る。そこにいたパート社員はまだ入社して日が浅いため、店長である峻が隣に来たことで、体を強張らせた。必要以上に緊張してしまっている。


「あ、ありがとうございました。また、お越しくださいま、せ」


「もう少しスムーズに対応出来るようにして」


「は、はい!すいません…」


後ろのレジにいた渚は、その一部始終を見ていた。


「店長。もう落ち着いて来たので、大丈夫です。ありがとうございました」


「ああ、そうだな。じゃ、中村さん、頑張って。紺野、少し話出来るか?ちょっと事務室に来て」
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