最悪から最愛へ
「は?ちょっと、早川さん。勝手なことを言わないで」


怒るのは当然である。


「紺野はねー、見た目は良いけど、性格がかわいくないからな」


峻は、渚をチラリと見て、ラーメンをすする。


「あたしにだって、選ぶ権利はあります。こんな意地悪な人、好みではありません」


渚は、肩に掛けていたカバンを胸元でギュッと抱えて、峻を睨む。


「本当に2人、仲が悪いですよねー」


佐和子は、最後の玉子焼きを口に入れた。


「でも…ほら、ケンカするほど仲が良いって、言うじゃないですか?意外と合うかもしれませんよ」


佐和子は楽しそうに2人を見る。


「そんなことない!」


勝手なことを言われて、渚の怒りは上がる一方だ。


「店長はどう思います?仲良くしてみたら、どうですか?いつもいがみ合ってないで」


「仲良く?したくないね。紺野だって、そんな気はないだろ?」


「もちろんです!お先に失礼します」


渚は、力を入れて歩いて、出て行った。
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