最悪から最愛へ
「なんでそんなにモテたいんだ?彼女がいるなら充分だろ?」


「イケメンで何もしなくてもモテる店長とは違いますよ。恋愛には、努力も必要なんですからね」


田中くんはもてたいが為に努力をしているらしい。


「努力なんてしなくても、田中はモテそうだけどなー。でも、彼女がいるなら、もてる必要はないだろ?今日は彼女に会わないのか?」


峻は届いたばかりの新しい生ビールを一気に半分ほど飲む。


「彼女は今、家族旅行中なんですよ。一人で寂しいからチーフに慰めてもらおうかなと思って」


「え!私?」


二人の話を蚊帳の外状態で聞いていた渚は、突然のことに驚く。


「おいおい。紺野で浮気するつもりかよ?やっぱりいい加減で軽いな」


「え?私と浮気?」


「1度チーフとやってみたいんですよ」


本気で、渚を浮気相手にするつもりらしい。そんな田中くんの発言に真剣交際を申し込んでいる峻が黙っているはずがない。
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