最悪から最愛へ
峻の焦りは、渚にしっかりと伝わる。


「店長…あの、困ります…」


渚 まで焦ってしまう。心はかなり揺れ動く。。 強引で真っ直ぐにぶつけられる思いは感動に値するものだと思うけど、自分の気持ちが分からないから複雑な気持ちになってしまうのだ。


「ふーん、困るんだ。だったらもっと困らせたいな」


「はい?」


いつもの少し意地悪な峻の顔に変わり、渚の心は戸惑うばかりだ。

振り回されている?


「店長…もう、からかわないでください」


「何度も言うけど、からかっていない。本気だから」


またもや峻の顔が変わる。今度は真剣な表情だ。その表情に渚の心は締め付けられて、背筋か伸びる。

峻の行動一つ一つに振り回されている感じだ。


「帰ります」


まだ握られていた手を離そうとする。この場から逃げないとどうなるか分からない。







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