最悪から最愛へ
江梨子は5年の結婚生活を経て、やっと授かった大事な赤ちゃんがいるお腹を愛おしそうにさする。あと少しで会える我が子をとても楽しみにしている。


「それにしてもすごいお腹よね。こんなに大きくなるんだねー。やっぱり重いでしょ?」


結婚していない渚は、もちろん妊娠もしたことがないから、どんどん大きくなっていく江梨子のお腹が不思議だった。


「重いよ。立ち上がるのについヨッコラショ!って、言っちゃうんだから」


「アハハッ。うちのお母さんみたい」


「渚も妊娠したら、そうなるわよ。早く子供作って、一緒に公園で遊ばせようよ」


「相手もいないのに、子供は無理だよ。さ、行こう」


後部座席から江梨子が持ってきたマイバスケットを渚が持つ。買い物カートの上に店のバスケット、下にマイバスケットを乗せて、お腹の大きな江梨子が押す。


「いらっしゃいませ。あ、紺野。今日休みだっけ?」

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