最悪から最愛へ
「なあ、まだ焦らすつもり?そろそろ我慢も限界なんだけど」


「焦らしているなんて…でも」


「もう一回、キスする?」


「え?」


何でそうなるの?

疑問を口に出す前に口は塞がれる。

成るように成る?

そんなことを頭に浮かべながら、再びのキスを受け入れた。


「店長」


「なに?」


「まだ…覚悟が出来なくて」


「覚悟?覚悟するものじゃないよ。んー、渚の気持ちは俺に向かない?さっき良い方向だって言ったよね?」


覚悟を決めて、恋愛するものじゃないのは、渚も分かっている。だけど、心が葛藤している。本当にいいのか、ちゃんと考えたのかと。

状況に流されないようにと必死で考えるのは真面目な渚らしい。


「でも、店長。待ってくれるって…」


「分かった。今日も我慢するよ。帰ろう」


渚の気持ちを最優先にする峻は、今回も我慢摺るしかなかった。無理強いして、嫌われたくないのだ。
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