最悪から最愛へ
峻は、渚の肩を掴んで渚の前に出る。渚を守りたい気持ちが態度に表れる。

渚はかばってもらい、斜め後ろに隠れるように立つ形となった。


「あのさ、紺野さんと話してるのだから、邪魔しないでよ。あ、ちょっとだけ紺野さんを借りていい？二人だけで話そうよ。ね、紺野さん」


「触るな」


山口が渚の腕を持とうとしたら、峻の手が出て、それを阻止する。


「は？店長さん、もしかして紺野さんが好きなの？」


山口はなかなか鋭い。


「そうだよ。だから、紺野は渡さない」


渚を間に挟んでバトル開始だ。客が少ない時間だが、全く客がいないのではない。何人かの客が何事かと見ながら、通り過ぎて行く。

周囲の視線が気になる渚は、これ以上目立たないようにする方法がないかと考えた。騒ぎが大きくなれば、他の客からクレームが出るかもしれない。


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