最悪から最愛へ
「あれ?山口さんじゃないですか?紺野に言い寄ってる人って、まさか山口さん?」


「おう。小田、久し振りだな」


山口は小田の大学時代の先輩だった。


「さっき、野菜のところ通ったら、見えなかったから休みかと思ったよ」


「ああ、ちょっと裏に行ってて。なんか揉めてるとか客が話しているのか聞こえたから、来たんですけど。なるほどね。…山口さん、あと30分で閉店になるからどこかで話しましょうよ」


小田の提案に賛成した山口はファミレスで待ってると出ていった。渚にも来るように念押しして。


「店長も一緒に行きますか?」


「行くに決まってるだろ」


峻まで行くことになった。渚は山口と二人だけで会わなくて済んだことに安心したが、峻まで行くことになったので、少し気が重くなる。

また揉めないといいけど。


「俺、先に行ってるんで後から来てくださいね」


先に業務が終わった小田が出ていく。
< 182 / 236 >

この作品をシェア

pagetop