最悪から最愛へ
「紺野、終わるか?」


「はい。これをしまったら、終わりです」


峻と渚は二人で行った。ファミレスに入ると山口が手を振っていた。


「お疲れさま。紺野さん、こっちに座りなよ」


「紺野は小田の隣に行って」


4人掛けのテーブルに山口と小田が向かい合って座っていた。山口は当然、渚を隣に座らせようとする。

峻は、渚を押し込む形で小田の隣に座らせた。


「まあ、いいや。顔がよく見えるしね」


何でも良い方に解釈しようとするのか、機嫌良く渚に微笑みかける。

渚は山口の微笑みに応えることが出来なくて、俯く。


「遅い時間だから、早くに終わらせましょうか」


一番この場に関係のない小田がスタートさせる。しかし、誰も話そうとしない。山口は渚をご機嫌に見ているだけだし、峻は不機嫌そうに違う方向を見ている。

小田が話を続けるしかなさそうだ。


「えーとですね、山口さん。紺野のことは諦めたほうがいいですよ」

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