最悪から最愛へ
ラックスストアの駐車場ではさすがに続きが出来ない。もう誰もいない遅い時間だけれども、落ち着けない。峻は、エンジンをかけて窓を閉めた。エアコンの風が火照りを取ってくれる。


「え?店長の家に?」


「もう我慢はしないよ。限界だからね」


「でも、準備が…」


女にはいろいろと準備があるのだ。そう簡単に頷けない。


「準備なんていらないよ。俺と渚がいれば出来ることだし。あ、一応ゴムは家にあるから、大丈夫だよ」


「えー。そんな準備じゃなくて、私なりの心構えとか」


心の準備も体の準備も出来てないのに、その気になっている峻を渚はどう制止しようかと考える。このまま流れても困る。

しかし、峻は渚の言うことを無視する。


「でも、なくてもいいか。子供欲しいしな」


「えー」


「俺たちもいい年だし、さっさと作ろうぜ」


「そういうのは段階を踏まえないと」

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