最悪から最愛へ
たまたま事務室に居合わせた小田も話を聞いていて、同じように春佳を怖いと思った。


春佳に合ったことで、せっかく良かった機嫌が悪くなっていた。しかし、それは一時的なもので、仕事終了時間が近付くにつれて、機嫌は戻る。


「店長、あがりですか?お疲れさまでした」


「ああ、お先に。あと、よろしく」


渚の待つ家にやっと帰れる。急いで帰ろう。


♪~♪~♪


「渚?どうした?」


「峻、お疲れさまです。お願いがあるんだけど、レモン買ってきてもらえないかな?買うの忘れちゃって」


まだ付き合い始めたばかりのお願いには聞こえない。どちらかというと、新婚夫婦みたいだと峻は、渚のかわいいお願いに頬が緩む。


「了解。夕飯、何?」


「唐揚げです。あ、峻、まだラックスだよね」


「うん。今、駐車場に向かうとこだったから、大丈夫。買って、帰るよ。唐揚げ、楽しみにしてる」


本当に新婚夫婦の会話のようだ。

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