最悪から最愛へ
渚との楽しい時間に春佳のことを話題にして、気まずい雰囲気になりたくはない。渚を不安にさせるようなこともしたくない。

だから、話題を変えた。


「休み?ちょっと待って」


渚はスマホでスケジュールを確認する。レジ部門と店長のスケジュールは登録してあった。この登録は、峻に会わない日を把握して喜ぶためのものだったが、今は違う。


「んー、来週も合わないし、再来週になるかな」


「そんな先?じゃあ、早番が一緒の日はある?」


一緒に早く帰ることが出来たら、デートが出来そうだ。年中無休の職場で働いていると、なかなか時間を合わせるのは難しい。でも、職場で顔は合わせるのだから、贅沢は言えないかもしれない。


「えーと、あ、今週の金曜日が一緒だよ」


「よし!金曜日、買い物に行こう」


「何を買うの?」


デートではなくて、買い物?買い物もデートの1つだろうけど、もっとデートらしいことをしたいと渚は思った。
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