最悪から最愛へ
渚は冷蔵庫から福神漬けを出して、器に移した。峻はスプーンとカレー用の皿を出す。峻はただ待っているだけでなくて一緒に動く。気遣いが出来る優しい男だ。


峻が出した皿に渚がご飯をよそって、カレーをかける。冷蔵庫に入れてあったサラダを峻が出す。


「家でカレー食べることないから、すごい久しぶり。いただきます」


「いただきます」


峻に合わせて、渚も食べる。カレーだから、失敗することはないけど、峻の様子を伺う。スプーンに大きくすくって、口へと運んでいた。


「うん、うまい!」


「良かった」


「買い物行けなくて、残念だったな」


「ううん、何を買うつもりだったの?」


買い物に行けなくても、一緒に食事出来るだけで充分満足だ。


「んー。俺、明日休みだから買ってくるよ」


「あ、はい」


明日、渚は遅番だった。一人で行くと言われると寂しい。
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