最悪から最愛へ
甘える作戦でいってみよう。


「そんな目をしても…ダメ!ダメだ。渚は、白無垢を着るんだよ」


「え?あんな、重いのを?頭がフラフラして、歩きにくそうだから、嫌だよー」


渚のお願いする目に弱い峻は、思わず自分が折れそうになったが、なかなか渚の思い通りにはいかない。

やっぱりこの男とは相性が悪い?この結婚、早まったかな?


二人は付き合い初めて、1ヶ月半後に籍を入れた。峻の住んでいたマンションに二人で住んでいる。

すぐに籍を入れる承諾は渚の両親にすんなりともらえた。ただし、式は絶対にする事という条件付きで。一緒に暮らし初めてから3ヶ月が経って、やっと約束の式をあげようと動き出した。

日取りは半年後を予定している。家族だけのこじんまりした式をあげる予定だが、まだ式場を決める段階にもなっていない。

神前式か、教会式か決まらないから式場選びさえも出来ないし、見学も出来ない。


「分からず屋め…」


「ん?渚、今何て言った?」
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