最悪から最愛へ
ぜひとも参考にしたい小田は真剣だ。渚も興味はあるけど、佐和子の話は前に聞いたことがあるので、トイレへと席を立つ。


途中、峻とすれ違うが素知らぬふりして、通り過ぎようとした。しかし、峻は素知らぬふりが出来なかった。


グイッ


すれ違いざまに腕を掴む。


「何ですか?」


すんなり通り過ぎることが出来なかった渚は、不機嫌になり、峻を睨む。


「どこ行く?」


「トイレです」


「ついて行こうか?」


「は?結構です」


峻の訳の分からない申し出をキッパリ断る。


「何でだよ?」


「何でって、トイレですよ。それに私が入るのは女子トイレです。店長は変態ですか?…」


「具合が悪くなって、倒れたら困るだろ?」


「はい?具合なんて、悪くないから大丈夫です。失礼します!」


渚は、掴む手を振り払って、トイレへと歩く。相手にしたくない。




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