最悪から最愛へ
「ぷっ!!」


「小田…何かおかしいか?」


いきなり吹き出して、ニヤニヤ笑う小田に峻は、眉間に皺を寄せる。しかし、楽しそうに笑う小田は峻に睨まれても全然動じない。


「いえ、紺野も店長のことを頑固だと言っていたのを思い出して。ハハッ…二人は何か似てますよね。だから、合わないんですかね?」


似た者同士は、合うか合わないかどちらかに分かれるものである。二人はどちらになるだろう。


「似ているとは、思わないけど、合わないことは確かだな」


渚と同じ人種とは思われたくないから、その部分はさりげなく否定して、合わないという部分だけ肯定する。


「でも、意外に合うと思うんですけどねー」


小田は飲んでいた紙コップに入っているコーヒーを飲み干して、立ち上がる。先に休憩していた小田の休憩時間は終わりだ。


「無責任なことを言うなよ。アイツは全く対象外だ」


対象外なら何故キスをした?心の中で自分に聞いてみる。
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