最悪から最愛へ
「あら?さっき女の子を連れて帰って来たのを見たけど。ああ、そうか!きっと彼女は看病するために来たのね。寄り添って歩いていたのも、具合の悪い潤くんを支えていたのね」


塚田さんは、田中くんがずる休みしているとは、思わないようだ。

しかし、峻と渚の心の中では、田中くんのずる休みが確実なものとなった。


「優しい彼女がいるなら、すぐ元気になりそうですね」


「早く良くなって、明日は出てもらわないと…」


二人は苦笑するしかない。塚田さんは、峻に「また来るわね」と満面な笑顔を見せて帰って行った。


「紺野、田中のことはちゃんと報告しろよ。俺が注意するから」


「はい、分かりました。ありがとうございました…」


レジに並ぶ客が減って、混雑が落ち着いて来たので、峻は抜けて店内の見回りに行く。渚も一度レジを閉めて、出入口にあるショッピングカートの整理に行く。
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