最悪から最愛へ
♪~♪~♪


「はい。いつもありがとうございます。ラックスストア朝日町店でございます」


「もしもし。青田だけど」


「ああ…、お疲れ様です」


第一声のようなハキハキした声は消え、低い声で返してきたのは、出てくる前にバトルしていた渚だ。峻だと分かった途端にテンションが下がる。


「今、本部に着いたんだけど、何か急ぎの用ある?トラブルとか大丈夫?何かあるか?」


「いえ、何もないですよ…」


「紺野…まだ怒ってるのか?」


「フン。別に…」


「おい。上司に向かって、フンとはどういうことだよ」


渚は「フン」の部分を、心の中で言ったつもりだった。無意識で声に出していたとは…でも、悪びれることなく返す。


「そんなこと言ってませんよ。空耳じゃないですかー?」


「お前…本当にいい度胸してるな。覚えておけよ」


「頭が悪いので、覚えられません。じゃ、会議頑張ってくださいねー」


言いたいことだけ言って、一方的に切った。

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