最悪から最愛へ
そっと田中くんにアイコンタクトを…

渚は２つ後ろのレジにいる田中くんの方を見る。

チラッ


「！」


渚は一瞬目を見開いた。いるはずの田中くんがそこにいないのだ。

田中くんは、ほんの1分前(に商品の在庫を客に聞かれ、売り場へと商品を探しに行っていた。少し離れているレジだったから、田中くんの動きに気付かなかった。いつの間に消えたの？


「紺野さん。今度の休みはいつなの？」


「えっと、いつだったかな…よく覚えていなくて…」


渚はどうやって帰ってもらおうか…必死で考える。そのせいで、返事をすることに集中出来ない。


「覚えてないって、そんなはずないでしょ？ねえねえ、休みの日にご飯を食べに行こうよ。何が食べたい？」


「あの、そういうお誘いは大変困ります」


頼れる人が誰もいないなら、１人で頑張って対応するしかない。
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