うつくしいもの
ぷろろーぐ
明かりが消えたままで、うす暗い
下を見ないと歩けないくらいに、
物が散乱した部屋
床には、彼の記事を書いた週刊誌が、
乱雑に何冊も落ちている
その誌面には、
彼の事を……
“覚醒剤”
“盗作”
“アイドルとの熱愛?!浮気?!”
「――もう無理だろ?
別れよう」
「――うん」
私はそれを、受け入れる
彼が暴れて散らかしたこの部屋の床で、
座り込み立ち上がる事が出来ない
殴られた頬が、痛い
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