うつくしいもの

「だけどそれはとても幸せだった~♪」


そう歌い終えた時に、

背後から拍手をされる音がした



私は驚き振り返るが、

そこに立っていたのは30代後半くらいの知らない男性



けっこうかっこよくて、
スーツじゃなくて、
今どきのファッションをしている



一見、とても華やかな人




「あっ、別に、何かしようとかじゃないから!!」


その男性は慌てて首を横に振る



夜なのに、色の付いたレンズの眼鏡を掛けている




この橋は、時々車は通るが、
人通りはあまりない



この人にそう言われる迄考え無かったけど、

襲われても誰も助けてくれないような場所




その男性は少し距離を取り、

私の横に並び、私と同じように鉄柵に手を乗せる



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