うつくしいもの

「泣いてても、いいよ。

俺、なんとも思わないから」


遠慮なく、寺岡さんは私の体に触れて行く



触れられた場所から、

自分の体が汚れて行くみたいに感じた




優雅が大切にしてくれている私は、

こうやってこの男にボロボロにされてしまう




それが、優雅に申し訳ない




涼雅の時は、私自身に気持ちが有ったから分からなかったけど、

相手に気持ちがないのに抱かれるって、


こんなにも酷い事をされているんだって……




本当に死んでしまいたいって気持ちが、

どんなものか分かった




今迄何度も思ったものとは、

全く違うものだった





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