うつくしいもの

「――私の書く歌詞の事で、少し駄目出しされた。

“誰かの二番煎じの綺麗事ばかりで面白くない。
荒削りでもいいから、
個性を出して欲しいって。

心配しなくても、
俺や優雅がフォローするから“って」



それは事実



セックスをした後、

寺岡さんは真剣な顔でそう話し出した



仕事の話が有るのは、
全くの嘘でも無かった





「そう。
俺は菜々花の書く歌詞は好きだけど。

でも、寺岡さんが言うなら仕方ないよな」


優雅はそっと、
私の横に腰を下ろした







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