うつくしいもの


「――菜々花、凄く声出てて良かったよ」


そう肩を叩かれて、体がビクッと震えた



ノースリーブのドレスを着ているから、
私の肌に直接寺岡さんの手が触れる――




“――菜々花、泣いてばかりいないで声出して。

菜々花の声を聞いてると、凄く興奮するから――”




あの日、寺岡さんは私の耳元でそう囁いた



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